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恋は光のkazzのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
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大人(親、社会)を限りなく排除して、現実から引き剥がしたファンタジックな箱庭で、まだ「おとな」になっていない若者たちが恋の真理に辿り着こうと思弁的に右往左往する物語。

掃いて捨てるほど量産される「学園もの」と一線を画しているのは、登場人物たちがみな目的をはっきり持っていることにある。この映画が2時間かけてどこに向かおうとしているかが明確で、かつ観客を否が応でもそれについて考えたくなる素材を次々に投げ掛けてくれるから、ジョンウィックの新作を遥かに凌ぐ推進力が物語にある。

彼ら彼女らが知ることを強く求めている気持ちはおっさんにだってある。出来ればその飲み会にぼくも参加したい。何歳になったって気付くことに勝る喜びなんてありゃしない。

燻んだ日々が色鮮やかになる。まさに光のようだった。
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