小津安二郎の初期サイレントの傑作。
マイホームを建てた一家の長男と次男が、新しい学校の悪童たちと喧嘩したり威張りあったりする。
そんな中、兄弟の厳しい父親が会社の重役にぺこぺこしていることを知る。
子どもの目線から大人の序列世界をユーモラスに描く。
諷刺的であったり、シリアスであったりは決してしない。
あくまで子どもたちの微笑ましいやり取りや感覚を軸に、大人社会を映し出していく。
それは毒もありつつ、とにかく優しい。
これでいいのだ、"偉い"というのは役職だけでは決まらない、ということを感じさせる。