しゅん

生れてはみたけれどのしゅんのレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
-
神保町シアター、ピアノ伴奏付き上映

列車が何度も何度も後ろを通過し、映画上映を聞きつけて子供が駆け出すと同時にキャメラも疾走する。そのスピード感を挟みながら、子供と親と社会階級の微妙な関係をじっくりゆっくり伝えることで生まれる情感。嵐が過ぎた後のおにぎりと最後の肩組みにはグッときた。
子供達の服装がとてもいい。貧富の差を絶妙に示しているし、帽子の色が白黒でコントラストを作っているのも鮮やか。対比をいくつも積み重ねる形タイプの美学が発揮されている。
しゅん

しゅん