ヤスミ

グリッドマン ユニバースのヤスミのレビュー・感想・評価

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
4.8

※アニメ2作観てる前提すぎる悦びが多いので万人向け作品では決してない。
電光超人のサービスシーンも多大に盛り込まれてるが小ネタ程度で視聴必須ではない。


男の子の夢盛り盛りお子様ランチ。
戦闘も人間ドラマも観たいもののツボを押さえすぎていて眼福。
クロス作品、お祭り作品としてあまりにも完成度が高く、最終回を何度も繰り返してるかのような多段的な熱い展開、戦闘、そこに加わる歴代OP。オーイシマサヨシ…ありがとう、、、

大集合戦闘が大好きなのでこれだけで観る価値があるがこのシリーズの二軸の一片である人間ドラマの部分が特に素晴らしい。

文化祭でも演劇の要素を主として取り上げていたが、正に自分達が劇中劇であることを認識して、それでもいいとポジティブに行動する描写にはこの作品ならではの説得力があった。
"虚構を信じることが出来る唯一の生命体が人間"、フィクションを受け入れるということ。
TVシリーズでのアカネやガウマ隊の面々の救済、今作のグリッドマン自身、そして観客である我々に対する多重メタメッセージ。

製作陣が伝えたい事、伝えきれない事。
その設定は無理があるとか、いまいちリアリティに欠けるとか、"それでも良かった"と、六花と内海によって代弁された創作讃歌。

新条アカネを中心としてTVシリーズで概ね完結されたキャラクターも多い中、それでも各々の救済が用意されていてシンプルに脱帽だし、視聴者も救われたように思う。
個人的にはアンチの使い方が相変わらず上手いのに感涙し、内海の救済が特に心に響いた。
そして何より裕太の物語が初めて綴られたのが本作の大義なのでグリッドマンとの友情も青春部分も余す事なく描かれていて本当に良かった。

以下戯言。

ラスボスの設定はわかったがそれ以上の深掘りや移入もなく、悪役としての魅力が欠けていた印象もあるが、
この部分に関しては風呂敷の拡げ過ぎにもなるのであえて概念的な存在にしたというインタビュー記事を読みある程度納得。


最後は…普通でした。🦀


・"うっそー"が無かったので-0.1点(我儘)
・近隣席のオタクさんが臭かったので-0.1点(外的要因)

概ね大満足。
ヤスミ

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