ゆうみ

サバカン SABAKANのゆうみのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
3.7
【今からでも九州の片田舎でひと夏すごしたい】

少年たちの友情には、女の子同士にはない「空気感」が流れている。女人禁制!とは言わずとも、少女同士で真似事をしてもその空気感は生み出せない。そう思うのは私が女子校出身だからだろうか。

80年代の長崎の片田舎が舞台。クラスで1番貧乏でいじめられっ子の少年とボクとの思いがけないひと夏の冒険の物語。海と山、大自然の中での冒険の1ページを心地よく覗き見る。彼らの時間は私には一生体験できないものだからこそ、彼らが羨ましく、余計に輝いてみえる。

映画デビューとは思えない子役たちの演技力もさることながら主人公の父親役の竹原ピストルが素晴らしい。

妙にノスタルジーな気持ちになると思うのは、話の展開が幼い頃によく読んでいた「あいたかったよ、カネチン」という童話に似ているからかもしれない。あれは鹿児島だけど。久々に読もうかな。
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