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バッドガイズのsomaddesignのレビュー・感想・評価

バッドガイズ(2022年製作の映画)
4.0
スリと運転の天才ウルフ、無愛想で金庫破りが得意なスネーク、変装の達人シャーク、武闘派のピラニア、天才ハッカーのタランチュラの5人による悪党集団「バッドガイズ」。派手な盗みを次々と成功させてきた彼らの次の狙いは、伝説のお宝「黄金のイルカ」。順調に計画を進めていたが、あと一歩のところで失敗してしまう。逮捕された5人は街の名士マーマレード教授の指導のもと、彼らを「グッドガイズ」に変える実験に参加させられることになってしまう。

オーストラリアのアーロン・ブレイビーによる同名児童小説(グラフィックノベル)を原作としたドリーム・ワークスのCGアニメ。監督は今作が長編デビュー作となるピエール・ペリフェルが務めた。

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大人も子供も楽しめる。全方位型ファミリー映画として楽しかった。

「パルプ・フィクション」なオープニングから「レザボア・ドックス」なサングラスシーンを経て、「オーシャンズ」シリーズといったチーム悪党モノ(ケイパーもの)を「ズートピア」な世界観で描く。主人公たち以外は普通に人間キャラなのがミソで、偏見や色眼鏡で見られがちな人々の有り様を擬アニマル化してる。

「スパイダーバース」の影響色濃い。
他にも古今の日本のアニメや漫画、とりわけ鳥山明やジブリアニメオマージュがふんだんに盛り込まれてて楽しい。(インタビューによれば「BEASTARS」の影響もあるそう)
特に「ルパン三世 カリオストロの城」オマージュ。冒頭の札束撒き散らしカーチェイスシーンはもとより、ウルフの手足の長いデザインやクールな立ち居振る舞いはルパン三世そのもの(転じて宮崎アニメ版「シャーロック・ホームズ」ぽく見える瞬間も)


ストーリー自体は平凡で新鮮味がないものの、テンポが早く、カラフルで楽しい。「人は見かけによらない」「色眼鏡で見られた通りを演じる必要はない」ってメッセージは万人向けでこれぞファミリー映画な感じ。深読みすれば、悪い環境で育った人がまともな教育や仕事に就けず、悪事に手を染めてより悪い環境を生み出す『負の再生産』といった社会の現状や、善行に見えることが社会階層を固着化させる偏見の助長になってる時事ネタを盛り込んでいるようにも見える。
とはいえ話の中心はウルフとスネークの天邪鬼な二人が友情を再構築する過程で、騒動に世間ごと巻き込まれる話にも思えた。さっさと二人で腹割って話せば済む話だったような💧


後で調べたら英語版(原語版)の豪華キャストが気になって、どうせなら字幕版を見れば良かったかも😢サム・ロックウェルのウルフ役なんて、いいに決まってるじゃん。
日本語吹き替えも素晴らしかったので、まあいいか。


66本目
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