おん

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのおんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この宇宙の言語では表現できない。なんだこの、全てのカルチャーの終着点みたいな映画は……ほんとに人間が作ったのか? オーパーツとして後世に残るぞこれ。

正直なところ理解不能というか、「Don't think, feel」ってスタンスで見るのが一番な気がするけど、せっかくなので感動したポイントを。

「全てがカンフー」この言葉をここまで再展開するとは。ベストキッドのジャケットの脱ぎ着みたいに、並行世界のエヴリンの動作がバトルに組み込まれる。歌、看板担ぎ、鉄板料理、器用な足指……。ベースにアクションスターはいるけど、それ以降は戦闘力の強いひとの組み合わせじゃなくて、むしろ冴えないエヴリン多めの集合体、というのがいい。その上で、終盤の「可愛くない女たちが世の中を回してる」ってセリフがかっこいいし、最終的にカンフーを戦闘じゃなくて日常に解体していくのが素敵すぎる。そして帰ってきた『輝いていない母娘の世界』は「意味ある時間が少なすぎる」けど、「なら、大切にする」だって。なんて力強いんだろう……。
なんでも、どこでも、いっぺんに。
挑戦的な表現技法のコンセプトでもあり、同時にメッセージでもあるのだろう。
「この一瞬が宇宙の全て」みたいな意味なんだと思う。

まあとにかく、良かった。わけわかんなかったけど祝福だけが残った。
おん

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