YUKI

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのYUKIのレビュー・感想・評価

4.2
正直よく分かんない部分もあるんだけども、関心が分散してどんどんジェットコースター的に進んでいくのは面白い。

マルチバースという言葉でSF的な要素はあるけど、その実はかなり現代的。ポストトゥルース的な価値観において、自分の信じていることは、別の視点においては全く無意味になりうる。
そんな無限にある「事実」の前で、加速主義的に全てを破壊したいという願望を持つのは理解できる。
そんな中、持ち前の性質※からうまく物事を整理できない主人公が、カオス的な事実を受け止めながら、1つの大きな価値観ではなく、個別の価値観において対話を進めていく様は、キャンセルカルチャー的なノリとは全く別物で、この姿勢が今後の主流になるのかなとも。
そのような示唆的な意味合いを含みながらも、この映画では、スターウォーズ的な親子関係だったり、アジア的な「和」の姿勢を重視する。
一見矛盾しそうな感じもあるけれど、なぜか根本的には整合が取れている感じもあって、それが「良くわかんない」感じに繋がっているのかも。

ただ、話として理解するのに少し時間を要する部分があるので、そこはちょっと説明してほしかったりもしましたが。。。

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