想像力は知性だと思う。これが人間の特徴だとすら思えるほど。
でも想像力を保ち続けて生きることは本当に難しいし、考えてたら仕事なんてできない。本当に。
この映画はまさしく想像力の映画。
そして、想像力を消す力の映画でもあると思う。
想像力は鑑賞する側に委ねられていて、「どこで何が起きているのか」や「誰が何をしているのか」は観客が考えたり調べないと分からないようになっている。
一方、劇中の人物は総じて、想像力を自衛の為に消している。
これが生きるためには必要だから。
それができない人はキックアウトされる。祖母のように。
考えたらおかしい、それくらいはわかっているのだから。
でも最後、ヘスは死ぬということの想像力が働いてしまった。
そして、それは正解で。