マルチバースの自分を"降ろして"巨悪と戦うSFアクションコメディ……からの、有り得べからざる今と対峙することで現実を肯定するハートフルストーリー。的な。
マルチバースの使い方は上手い。ちょうどマルチバースという言葉が映画ファンの間に浸透してきたところでこの映画なので、苦もなくすっと入ってくる。そのうえで、いろんな自分の可能性があったけど現実の冴えない自分も悪くないよね、という方向性に持ってくるのは少し新しい。
ギャグの部分はバカバカしく楽しめるし、無機物のシーンには謎の感動がある。その振れ幅を楽しめるかどうかだと思う。
アベンジャーズが引き合いに出されがちだが、テーマも色使いも『四畳半神話大系』に似てますよね。似てません?