特濃ミルク

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの特濃ミルクのレビュー・感想・評価

5.0
 もし俺のレビューなんか見てる暇があったら、今すぐ映画館に駆け込めぇい!!個人的には7部門受賞も納得の作品でした。
 この作品はマルチバース(選択の違いであり得たかもしれない世界、分岐した無数の可能性)を大きな軸にして、カンフーアクション、ユーモア、斬新な表現の数々を盛り込んだ痛快エンタメであるのと同時に、ニヒリズムという主題に正面から向き合った哲学的な映画でもある。オマージュも豊富で「燃えよドラゴン」&「パプリカ」&「レミーのおいしいレストラン」&「2001年宇宙の旅」&ニーチェ哲学&「マトリックス」、&………といったように、直接描写されなかった分も含めて多様なジャンルの世界観を取り込み、この作品自体がカオスとコスモスを体現しているのだ。下品なギャグがどうのこうの言ってる人は何にも分かってない。ディルドもベーグルも石も目玉シールも全て引っくるめて宇宙なんだよ。あと理解もしていないのに低評価するってどういうことだよ…。まあこればかりは自分も気をつけなければいけないが。
 これを撮ったのがあの「スイスアーミーマン」と同じ監督たちなのが信じられないぜ。↑こちらもおすすめ。まあ「スイスアーミーマン」も実は荒唐無稽さの中で人生に向き合うというシリアスさも持ち合わせている。
 受け取り方は人それぞれだが、少なくとも自分はたくさん笑って泣いた。ただ途中で退席する人もいて悲しくなったな。本当の事情は分からないけども考えられる事として、最初の方の展開とマルチバースという世界観についていけなくなったのか?ネタバレ解説をみて整理してから鑑賞しても充分面白いと思うし勿体ないよなぁ。
 とにかく今すぐ映画館に行けぇ!!俺のレビューに構うなぁ!もう既に見た方はもう一回駆け込めぇい!と言いたい。
特濃ミルク

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