このレビューはネタバレを含みます
混沌なのにしっかりと一本の線がある。
真実を語ろうとして真実を見せるより、混沌の中に真実を見た時、それはより真実味を帯びている。と感じた。
インディーズ感溢れる無茶苦茶な展開だが、今作のメッセージである「家族愛」というテーマがしっかり描かれており、俳優陣の重厚な演技により説得力のある壮大なストーリーになっている。マルチバースの様々なエブリンを演じ分けるミシェル・ヨーは圧巻だし、ラストの家族を見つめる表情が今作の全てを物語っていた。
根源的な愛をカオスという現代におけるキャッチーな箱に入れて届け、観る者の内側から爆発させる怪作にして名作。