なるち

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのなるちのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「意味のある時間はほんのわずかしかない」

これ……これこそこの映画のすべてを体現してる気がする。意味のある時間はほんのわずかで、前半はひたすらカオスな世界を理解の追いつかない頭に流し込んでく。その意味が後半に詰まってくる…という感じ。

純粋なアクションを求めていったら肩透かし食うし、ヒューマンドラマだけ求めていっても前半で折れる。アカデミーからの期待値で異質さを求めていったら期待通りのものをお出しされたので、個人的には満足度が高かったし、それでも最後には家族の愛の物語に帰結する…という感じがよかった。泣きました。キー・ホイ・クァンがめちゃめちゃよかった…


エヴリンがどんな分岐点でどんな人生を持っても、人生のどこかにウェイモンドがいて、どんな選択肢を持ってどこに行けたとしてもたったひとりのジョイとここにいたい。
という愛の見せ方が好きすぎて…
ヘンテコな踊りを踊って、頼りがいも体力もなく、弱々しく笑うような人がやさしい在り方を教えてくれて、それが世界を変える…かも。戦うためのこぶしよりも抱きしめあうための腕を…という、現代のメッセージ性の強い映画でした。
どんなくだらない世界にも愛すべき部分はある。
なるち

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