baobabunoki

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのbaobabunokiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

カオスを超えた先のユニバースでこの映画が伝えたいことはとても普遍的で一つしかなかった。その一つに対して全力投球してユニークさを詰め込んで、失敗してきた不器用さを丁寧に描く。アジア系移民というマイノリティであって、娘がレズビアンで、挫折と失敗を繰り返した先の中年女性が主人公でありそういった作品がアカデミー賞を受賞するのはすごく意味のあることだなと思う。

圧巻の現実主義、ニヒリズムをテーマにしながらここまで積みこんで最後の答えが“究極の一つの悟りを開いたベーグル”と“石”であり、和解のための対話。

A24は『フェアウェル』、『ミナリ』もそうだけれど、こういった映画を制作することで間違いなく大きく貢献しているところがスゴイ。

あまりの情報量の多さについていけないのだけれども、見てたら本当カオスでめちゃくちゃ笑ってしまうし、最後に感動し、人生の壮大さや自由さを実感しながらも、結局この映画のようにうまく解決することもきっとできないけど、なんかそれの繰り返しだよな〜人生というものは...。

もっと皆が寛容で、違うことを前提にして他者をわかり合おうと歩み寄れるだけで大きく変わるのにそれができないのが人間だ。
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