TODAY

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのTODAYのレビュー・感想・評価

3.8
"エヴリシングエヴリウェア〜通称エブエブ" を観た。当作はメタバースを視覚効果に取り入れた新機軸の、、などと前評判がセンセーショナルで、周囲の映画好きからは並行時間世界を見事に映像化しているのが作品の魅力だと聞いていたので、いかに難解で多層的で革新的な映画なのかと期待半分で観始めた。結局基本軸の主人公達に感情移入できなかったが、時折登場するメタバース主人公達、彼らの "物語の断片" に想像力をかき立てられる。分断され細切れにされた遠いifの世界の自分達に、誰にもある "失われた時間" を彷彿とさせるセンチメンタルなアプローチ。いわば感動ポルノと呼べるくらいにこれに涙しない者はいないのでは。全時間軸を通して優しくて無力な存在であるウェイモンドの献身的で懐の大きな愛が作品の全体を通して大きなフックとなっている。個人的に、映画というより映像作品と冠する方が納得できると感じた一作。
TODAY

TODAY