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すずめの戸締まりのaのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2011.3.11から11年目だから11.11公開にしたのかな?
リアルとファンタジーの配分上手な新海監督作品の中でも一番バランス良かった。

「いってきます」「いってらっしゃい」を言って新しい世界に進む場所=扉。

災害だけでなく人口減少してこれからさらに都市部一局集中・地方過疎化していく日本の中で当たり前に忘れ去られるもの、風化するものがはっきり描かれていた。

自然と引き継がれるものだけじゃなく、生きていく上で必ず忘れ去られたり置いていかれるものもあるのが人生。
かといって消えてしまったのではなくて、ふと帰ったり心の中で拝んだり、そのために形が残り掛ける言葉があり……。

テーマすごい重いけど前向きだった。生きていくって重い。壮大。
あと現代にもつづく昔からの言い伝えや古事ってやっぱりロマン感じる。

役場や民宿やスナックとか、人をもてなす仕事が沢山出ていたのは関係希薄を良しとする世の中でもコミュニティを形成する大切さってあるなーと思わせる。
教師と看護師を目指す主人公2人が“誰にも見られてないけど、大事なこと”をやり遂げようと奮闘する構図はキツい部分に焦点当たりがちな職へのあえてのスポットライトかなと思った。
あと椅子は最小の建築物ってことで、建築学科で一番初めに作る所もあるらしい話を思い出した。人による人のために形作られたモノの何より身近なそれ。

上辺だけで良し悪しを語れるものじゃない人と人にまつわる多分大切な事が随所に細かく落ちていて、それが光のようで本当に綺麗な作品でした。
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