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すずめの戸締まりのsksinのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

地震表現あると聞いていたが、それ以外は情報入れずに鑑賞。(予告編で家の上に船があったので、おや..?とは感じていた)


物語前半はふんふん、わぁ大変。ダイジンお前ってやつは..!でもかわいい!たまらん!という感じで見ていた。
でも終盤にさしかかり、すずめの故郷、どこだろう?と思っていたところ、道路にかけられたフェンスを見て理解した。雪が降る場所・季節(東北・冬)、黒いクレヨン(津波)で塗りつぶされた日記...ああ、そういうことか、と。
あの土地に行ったことある人にとっては、芹澤の「綺麗」という言葉はひっかかる。景色は綺麗かもしれないが、もとあった生活はどこにもない、原発事故で汚染されてしまった土地だから。
そしてここらへんで半分来たと言っていたので目的地(すずめの故郷)はおそらく三陸海岸あたりと察する。

クライマックスは「戸締まり」に尽きるが2つのシーンが特に印象的。
・「いってきます」「いってらっしゃい」
いつもの何気ない挨拶。だけどこの後、「ただいま」「おかえり」を交わすことができなかった人たちがたくさんいた。
・「すずめのうちのこには なれなかった」
猫が家族にいる身としてはここでダイジン、、ダイジンー!!!と感情爆発。願いは叶わなかったけど、大好きなすずめのために覚悟を決めたんだね。

私の故郷も宮城県だが、当時東京の大学に通っていた私はテレビを見て祈るしかできなかった。基礎だけ残った家、火に包まれた街、あの日経験したことや、そのあとの風景の記憶は鮮明に残っている。
あの地震を経験しなかった人、記憶のない若い子にとっては説明が足りないところもあるかもしれないが、私にとっては心動かされる良い映画だった。
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