このレビューはネタバレを含みます
「君の名は」から続く災害サーガ?の集大成ともいえる今作、脚本、映像のクオリティともにとても高く非常に満足いく作品だった。ただ、震災映画と聞いていたのでかなり身構えていったのだが、結構しんどい、生々しさを感じた部分はある。
本作品は
1.鈴芽の成長譚
2.草太とのラブストーリ
3.戸締りの話
の3本柱でなりたっているとのこと。
戸締りを繰り返すうちに、鈴芽は災害からの悲しみを受け入れ、乗り越えていくとても感動的な話であった。それらの話に終始すると重い展開なのでラブストーリを入れたのだと思うが、鈴芽の恋心の機微がやや強引に感じ、そこが残念だった。
震災は怖い、忘れたらだめだという説教臭い話ではなく、震災の話をちゃんとエンタメに落とし込んでいる傑作だと感じた。リアルタイムに震災を経験した人はもちろん、自分の子世代にも見て欲しい作品である。
ただひたすらに登場人物に絶望を与えるだけじゃなく、救い、寄り添うような前向きのストーリ展開を見て、以前のような暗く童貞臭い「新海誠」はもう居ないんだなと少し寂しくも感じた。
「行ってらっしゃい!」