このレビューはネタバレを含みます
圧倒的ストーリーと絶妙な音楽使いで、新海誠の名をこの世に知らしめた「君の名は」
例え世界の形が変わろうとも愛の前ではそんなことは本当にちっぽけだということを伝えた「天気の子」
この2作は実は日本人の大好きな王道ストーリーで、困難を共に乗り越えることで愛が深まる「ラブストーリー」をメインに置いた作品だった。
しかし、今作はそれとは一線を画すものとなっている。
前作ではお膳立てに過ぎなかった災害。今作ではそれにより、大切なものを失った人が、それでも人生を肯定し日々を生きることの意義を描いた作品となっている。
細部まで人も自然も街も息遣いを感じる繊細さ、キラキラした爽快な世界観は保たれつつも、災害のもたらすおぞましさのようなものが明確に表現されている作画。
決して音楽に頼りすぎることなくストーリーで心を掴む、これまでとは違う原点回帰のような今作に衝撃を受けた。
是非ストーリーを考察し、細かなロジックも把握した上で、2度目の鑑賞に訪れたい。