前2作に比べて脚本が洗練されてる！シンプルな「行って帰る」構成にした事で話の流れがわかりやすく、間口の広い娯楽作品になってました。
震災という重いテーマで、ここまで質の高いエンタメとして成功して(しまって)る事に若干の不安を感じつつ、それでも監督が「自分の作品は(震災を知らない)若い世代から好まれている」のを自覚した上で覚悟を持って作った感があり、だからこそクライマックスで聞こえてくる在りし日の声や、彼女から彼女へのメッセージは胸に響きました。
難しい問題(原発等)も忘れてはいけない。でも若者に1番伝えたいのは希望であり、難しい問題はまず大人が頑張らないと。
1番驚いたのが、新海恋愛こじらせ要素がほぼ無い事。男性ヒロインだから？それともアドバイザーが入ったのでしょうか。いつもみたいに気色悪くない(笑)。
同世代の男性達が思春期を抜けきれない中、新海監督は大人の男になっておられる……と感じました(失礼すみません)。
なので、こじらせ要素が好きなファンは物足りないかもですが、私は新海作品で1番楽しめました。その「こじらせ」が作り手の持ち味だったりもするので、ここは好き嫌いが分かれるかも知れませんね。
