ぜろぱか

すずめの戸締まりのぜろぱかのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
3作通じて、実在の広告や楽曲、SNS等の使用等、日常生活との連続性みたいなものをすごく意識して作られていて没入感が高いのは個性的で新海誠作品の強みだと思います。
劇場音響なのもあると思いますが、SEとかもすごくリアルに聞こえます。
ソーシャルディスタンスもあって感じにくくなっている人との繋がりの温かさを再確認させてもらえました。
ロケーションのチョイスも、今作が取り扱う災害と縁のある土地になっていて、そこに遺された人々の想いに思いを馳せるという今作の主題をより強く感じられました。
3作通じて「扉をまたぐ」描写がかなり意識的に描かれていて、今作を見るまではエヴァのオマージュなのかなとか色々考えていましたが、その意味付けは主に今作が担っているのだろうと思います。

メッセージ性は前2作よりも強くシンプルなものになっているように感じました。
ただその裏返しとして、最後の脚本上のギミックはどこか既視感があり、君の名は程の革新的な目新しさはありませんでした。
もちろん伏線回収の爽快感はありましたが。
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