坂

すずめの戸締まりの坂のネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 恋愛映画を観に行こうと思った人にとってはただの雑なラブコメに思えるかもしれないけど、重いテーマをコミカルなシーンを挟んで大衆が観れる絶妙な塩梅に調整してる構成は流石だと思った。

多分この話の一番太い柱は震災を風化させないことなんだと思う。それは「重い気持ちで扉は押さえられている。」という台詞や、ミミズによる東京で変わらない日常を過ごして中突然訪れる危険への比喩から感じた。
震災で生き残った主人公が閉ざしていた過去のトラウマに対して、その後歩んできた自分の人生を肯定することで向き合い、震災をただの触れてはいけないタブーにしないというストーリーもいい着地点だった。
ただテーマがテーマなだけにトラウマになっている人も多く、娯楽に落とし込むにはある程度コミカルにする必要があって、開始5分でこれはファンタジーの世界ですと伝える構成や恋愛要素を取り入れる必要もあり、観る角度によってはそこがチープに映るのかもしれないと思った。

正直1回観ただけではどんな評価をすればいいかわからない作品だけど、新海誠が何を描きたかったことへの熱量は凄く感じたのでいい映画だったと思う。今日寝て起きたら色々忘れそうだから恥ずかしいけど長文でここに投稿します。
坂