アイザワマコト

すずめの戸締まりのアイザワマコトのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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とても良かった。
「君の名は」から新海誠は3.11に対して、「あの時何も出来なかった」という罪悪感に向き合って作品を作ってきたと思ってるんだけど、今回が1番直接的に向き合った作品になってた。
作品の中で主人公が危機を救う度に、「あの時これが出来なくてごめんなさい」って想いを感じて、震災を共有してる鑑賞者である自分にもその感情があるから、何度も泣いてしまった。

この十年間、作家が震災のトラウマに向き合い続けたから「君の名は」からの作品群があると思うんだけど、作家の想いだけじゃなくて、震災を共有している国民にとっても物語を体験することで贖罪や鎮魂をするための儀式に近いんじゃないかと思った。ただの流行りの面白い物語を観るのとは全然違う体験。