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すずめの戸締まりのhsのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

好きだったのは映像と主題歌だけ。

まず設定の面で、後戸からミミズが出てきて地震が発生するとか、それを防ぐために呪文を唱えて戸締りするとか、草太が足三本の椅子になるとかいうのが自分は面白いと思えなかった。不思議すぎるというか、必然性がなさすぎるというか、「なんでそうしようと思ったの?」みたいな違和感があった。高校生が入れ替わるとか、祈りで天気を操作するみたいな、前2作の序盤のワクワク感・疾走感は今作には感じなかった。

でも一番ひどいのは結末。天気の子の穂高には、陽菜を救うためなら世界の形が変わってもいいという覚悟があった。鈴芽は「死ぬのは怖くない」という勇気があるだけで、要石が欠けることによる代償についてはなんの葛藤もない。だから、ダイジンの自己犠牲に頼っているだけに見えてしまった。

震災の扱い方もイマイチ。鈴芽のトラウマとして終盤に描かれるだけで、かわいそうという以上の描写にはなっていないように思えた。(あと、東京出身の友人が「震災の描き方が素晴らしくて自分が被災した頃を思い出した」と語っていたのは、震度6強の地域にいた自分としては正直複雑だった。震度でマウントとってるみたいでどうなんだとは我ながら思うけど。)

新海誠は好きで直近3作はすべて公開直後に劇場でみたけど、もういいかな……という気がしている。身の回りでもfilmarksでも肯定的な評価が多く(それを否定するつもりもないが)、なんだかもどかしい気持ちになって時間差で投稿。
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