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すずめの戸締まりのhitomiのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.9
地上波放送でやっと鑑賞!
悲劇を乗り越えるための作品という感じがしました。

関東で東日本大震災を経験したので現地ほどの恐怖ではなかったはずですが、それでも一生忘れられない出来事。
こうやって実際にあった震災をファンタジー化することには賛否両論あるし、わたしもどちらでもあるなと感じます。もちろん監督も分かってるはず。

古来から人間は未知の出来事に対して物語をつけて理解しようとしてきた歴史があるし、その論理からいくととても「あり」なんだけど、事実から目を逸らすことにならないといいなとも思う。
人工地震なんて言葉が時折ツイッターでトレンド入りするような世の中で、まだまだこうやって物語化するのは危険かもと思うのです。

ただ、こうやって物語にすることで心が軽くなる人もいると思う。こういうことが知らない世界で起きてたのかもね、なんて考えることで逃避できる。それは必ず誰かの心を救うと思う。
だからこそ、批判精神は持ちつつも楽しむのが最適解なのかな。

個人的にはすずめの最後のセリフがめちゃくちゃ好きです。
インナーチャイルドを癒してくれる作品ってすごく大事だしもっともっと作られたらいいなって思います。

同時に、女性同士の連帯が描かれていたのもよかった!優しい人、助けてくれる人っているんだよね。もちろん現実世界であんなことしちゃダメです。悪い人もたくさんいます。
でもね、こんないい人も、ほんとにいるんだよね。

いい作品でした。
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