ヴレア

夏へのトンネル、さよならの出口のヴレアのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

原作との比較等も交えて書きたいので、原作のネタバレを知りたくない方は注意して下さい。と言っても細かな違いですが。

まず、ストーリーの根幹と目的は同じなので、観たあとの感想は全く同じだった。

大きな違いとしては、原作では結構フィーチャーされていた川崎小春とのエピソードが丸々カットされていた点。
陰キャ主人公が美少女転校生花城あんずと、クラスで一番可愛いくて怖い川崎小春の2人と仲良くなるというオタクには夢であろう展開がいかにもラノベな感じだった。また、孤高を貫いていた花城が川崎と友情を深める事で段々と明るくなっていくというのがとても良かった。
しかし、映画では限られた時間の中でやらなくてはならないため、そんなにゆっくりと性格を構築している暇は無く、もうかなり超特急で主人公に好意を寄せる関係となる。
その分主人公と花城の二人だけに絞られて展開して行くのでより集中できるし、やたら距離感の近いシーンが多く感じた。また、どこか新海誠味を感じさせる内容となっていた。

あとは、トンネル内のデザインも原作とは違っていて、映画ならではの不思議な空間になっていてとても良かった。
あと、主人公が妹を見つけた部屋で、花城からの過ぎ去った未来のメールを一気に受け取るというのはどこか「インターステラー」味を感じたし、より切なくなるシーンになっていたと思う。

最後に、原作では教室で花城と初めて出会うが、本作では駅のホームで会うというシークエンスになっていて、そのシーンを反復させる演出は二人の関係がぐっと近付いたという事を表すような印象的なシーンとなっていた。
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