さな

夏へのトンネル、さよならの出口のさなのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

花城が、塔野は「特別」で、私も「特別」になって同じ世界を見たいのだと言った場面があった。

内側に抱え込んでる闇が暗くて大きいものだと特別な存在だと周りは思うし、本人もそう思っていないとやっていけないのだけど、本当は特別でもなんでもなくて、思っているよりも近しい世界を生きているのだと思う。

現実から目を背けて分離していく塔野と、そんな彼に憧れる花城それぞれの心情が描かれ、幼さ故の噛み合っていなさが良かった。(噛み合っていないというのは、塔野は自分を特別だと思わずに現実に向き合わないといけないし、花城はそんな辛いことに憧れてはいけない)
相手のことを強く想っていながらも独りよがりなのが最高に「青春」だと思った。

2人の思い出の作り方が、歪でありながらも美しくて、久しぶりに恋愛系で本当に好き〜〜〜ってなった
さな

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