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生きる LIVINGのペコのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.8
東宝試写室にて鑑賞。黒澤明監督の「生きる」のリメイク作品。オリジナル版は観ておりません。
仕事一筋で生きてきた男に宣告された余命。残された時間をどう生きるかが描かれています。御涙頂戴の演出があるわけではなく、1人の男の限られた時間を淡々と描かれているのがリアリティが感じられて見応えがありました。どう生きるか…何が出来るのか…最期をどう迎えるのか…。死期を宣告されたら自分ならどうするか考えてしまいました。ウィリアムズのように行動できる自信はない。ウィリアムズは真面目な人間だが、お役所仕事は形式的にこなすばかりで、家族にも愛を注いであげられなかった。それなら最後くらいは自分が生きた証、自分がこれまで生きてきた意味を残そうとしたのだろう。日々淡々と仕事をして生きている僕も、ゾンビになったとしても真面目に働こうと思いました。
まぁ余命宣告をされた人間がどう生きるかという設定は使い古された設定ではあるけれど、音楽やワザと古く見せる映像技術が素晴らしく、最後までビル・ナイの演技に引き込まれました。「生きる」とは何かを改めて考えてしまう作品でした。
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