名波ジャパン10

生きる LIVINGの名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2
不朽の名作のリメイクといえば、スピルバーグ監督による「ウェスト・サイド・ストーリー」。ただ、これは生けるレジェンドだからこそのなせる技。世界のクロサワの名作中の名作のリメイクは若手のオリバー・ハーマヌス監督にとっては想像を絶するハードルの高さだったと思います。それでも、オリジナルのテーストとメッセージを再現しつつ、新たな作品として仕上げているのは高く評価されるべきでしょう。また、オリジナルの名作の存在を知らしめた意義は大変大きいと思います。「生きる」とは何かの問い掛けは主人公の年齢を遥かに超えてしまった身にとってはかなり辛く、重たいものでした。生と死というのは普遍的なテーマではありますが、作品で描かれるのはシンプルな価値観とシンプルな生活の時代の「生きる」なだけに多様性の時代の若者達はどの様に受け止めるのか興味のあるところです。