美しい映画だった。
まだイギリスを訪れた事がないんだけれど、きっと1950年代のイギリスが忠実に描かれている気がする。
紳士的で静かで、慮る雰囲気やきっちりとした礼儀。
冒頭からしばらく続く役所への通勤の様子。真面目だが情熱はなく、誰の迷惑にもならない分、誰の役にも立たない日常が丁寧に丁寧に描かれている。
死を目前にして感じる、恐らく人として感じるあらゆる感情が、ビル・ネイによって見事に体現されていた。
精一杯生きたい、と誰もが思っているのだけど、その単純な想いにどれだけ熱量が必要なことか、、、それを、誓いを立てたはずの男たちの失速をみていてよく分かった。
後悔しない生き方は、毎日毎日自分へ「君は幸せかい?」と問うてあげる所から始めたらいいんじゃないかな。