しん

東京2020オリンピック SIDE:Aのしんのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)
1.4
ナイキかアディダスのPVを2時間見せられた感じでしょうか。すべてが中途半端で思想性もなく、いい感じのことをただ並べ立てているだけという印象でした。
そもそも東京オリンピック2020をほぼ見ていないので、何がなんだかのシーンがたくさんありました。バスケットボール日本女子は決勝で負けたんですかね。サーフィンもよく分かりませんでした。この点は見てないお前が悪いと言われるかもしれませんが、それ以外も酷かったです。本筋とは関係ありませんが、謎の水中カット、最後に取って付けたような身体の躍動、子供使っときゃいいだろ感など、監督の映像チョイスにもかなり疑問符はつきます。

柔道は完全に20世紀の遺物感が出ていました。切腹と気持ち良さそうに言えちゃう感覚、少しばかりデータを使っただけでアートと言えちゃう感覚、変えていいものと変えてはいけないものと言いながら、ヘーシンクに学ぶといいながら、ガンガンガッツポーズをしちゃう感覚。まぁ、そんなもんなんでしょう。

それと引き換えに際立っていたのはスケートボードです。実況が「日本」を煽ることがダサく見えるほど、その空間だけはナショナリズムに毒されていませんでした。勝敗すらも超越しているのは、本作ではあの瞬間だけでした。

またサーフィンの会長の泥臭いロビイング話も面白かったです。こういうところを掘り下げれば、もう少しまともな映画になったのではないでしょうか。まぁ全ては後の祭りです。2時間PVを見る覚悟のある方は、ぜひ。
しん

しん