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UNFRAMED/アンフレームドのIPPOのレビュー・感想・評価

UNFRAMED/アンフレームド(2021年製作の映画)
3.3
遂にWATCHAオリジナルコンテンツが来ました!韓国の中堅人気俳優4人がメガホンを取った短編映画集。企画の中心はイ・ジェフン。
味のある実力者4人が監督と知って嬉しくなりました。

トップバッターはパク・ジョンミンの
『学級委員長選挙』
ジョンミン自身の小学生時代のクラスメイトたちや座席を完成再現したのだとか。大人は全く出てこない。教室の様子をMV風に描いたセンスの塊の彼らしい一作。

2番手はソン・ソックの『再放送』
4作の中では一番何も起きないし抑揚が無い。ソン・ソック本人がチラッと出てるらしいが分からんかった。なんだか日本映画的で是枝監督に影響を受けてそうな空気。

3番手は唯一の女性監督チェ・ヒソの『バンディー蛍の光』。
シングルマザーの女性と娘をめぐる良い感じのヒューマンドラマ。4作の中では唯一監督本人が主演を務める。演技が素晴らしかった。

トリはイ・ジェフンの『ブルーハピネス』
なんと言ってもチョン・ヘインが主演なのが嬉しい。チョン・ヘイン自らも脚本に共感したという、韓国の若者たちの貧富の差、競争社会、生きづらさを全面的に描いたビターな一作。チョン・ヘインのあの表情の演技は相変わらず国宝級だと思った。ドラマ『ムーブトゥヘブン』でイ・ジェフンの弟役を務めたタン・ジュンサンも登場。

4作全て何気ないヒューマンドラマ。
韓国って良くも悪くも国民性に色々なクセはありますが、旬の俳優たちがこうした何気ない日常から着想を得た人間ドラマを目指しているのって、興行よりも表現を重視している感じで素晴らしいと感じた。

まぁもちろん配信コンテンツだからこそこの質素な感じなのでしょうが…

残念なのは4作に全く関連性が無いこと。同じテーマだったり、ストーリーが何処かで繋がっているわけじゃなく、配信で見る時も1作ずつ再生される。4篇で1作である意味合いを感じられたら良かったのに。

長くなりましたが、2021年最後のレビューです。今年も沢山韓国映画を見ました。累計600本を超えました。また来年も意外な傑作に出会えますように…!
今年レビューを読んでくれた皆様、ありがとうございました。良いお年を〜。
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