みむさん

魂のまなざしのみむさんのレビュー・感想・評価

魂のまなざし(2020年製作の映画)
3.0
フィンランドの有名な画家ヘレン・シャルフベックの人生のうちの8年間を描いたものだった。

ヘレンの人生を大きく変える年下男性エイナル・ロイターを演じているのが「ヘヴィ・トリップ」でボーカルのトゥロを演じたヨハンネス・ホロパイネンだった!

画家ヘレンは世間に出すためでもなくほぼライフワークというか情熱的趣味のような感じで絵を描いていて、それが注目され彼女の平穏な人生が動いていく。
意外と恋愛パートが多い。しかもちょっと痛々しさすら感じる。人付き合いが上手いとは思えない姿も映画だからといって美化してないし、大袈裟に描いてもいない。もしかして本当にこんな感じの人だったのかも?と感じさせる。

描かれている1915年から1923年のフィンランド、やっぱりこの時代は男性優位で女性は抑圧されて生活してきたんだなと。それを当然のように扱う社会への抵抗も描かれていた。

ただ、若い男性に突然作品を誉めちぎられ、まるでそれを恋心を寄せられたと勘違いしているような姿(そうではなかったとしてもそう見える姿)はやっぱり見ていて痛々しい。
中年女性と若い男性、そんな恋愛もいいけども。相手の気持ちはLOVEじゃなくてLIKEだよってのが見ていて分かるから。友人としてかけがえのない存在になったのは良かった。

名画家の名作の裏にはこんな私生活的な伝記映画の王道フォーマットで静かに仕上げた映画。