連続殺人事件を追うFBI捜査官カート・ノヴァック。彼はある日、その容疑者がオーストラリアで逮捕されたとの連絡を受ける。ノヴァックは妻と息子を連れて家族旅行も金てオーストラリアに向かうが…というストーリー。
アルバトロスが放つ、本家「エアポート」とは何の関係もない「エアポート」シリーズの一つです。監督は「ミミック2」のジーン・デ・セゴンザック。
逮捕された容疑者を犯人とは思えないノヴァックだったが、ひとまず事件は解決したと妻のミシェルと息子のジョニーと共に帰りの旅客機に乗り込む。だが、飛行中の機内でミシェルの座席に被害者から盗まれたイヤリングが置かれていた。更に直接犯人から電話を受けたノヴァックは「犯人は機内にいる」と捜査を始めるが、連続殺人と同様の手口で殺害された遺体が機内で見つかり、という内容です。
航空パニックというよりは旅客機内を舞台にしたサイコ・サスペンスといった趣の作品でした。
前半は裕福で成功した女性を標的に殺した後に遺体を傷つけずに両手を縛ってベッドに寝かせ、殺害前に撮った写真から体の一部を切り取るという犯行を重ねる連続殺人鬼を主人公のFBI捜査官ノヴァックが追う「クリミナル・マインド」みたいな捜査物として進んでいって、中盤前までは旅客機に乗りません。しかし、オーストラリアで逮捕された連続殺人犯の尋問に立ち会うために向かうのに、ついでに家族も連れて行って家族旅行も兼ねようってのはどうなんだ(笑)国民の血税使って(笑)
旅客機内で犠牲者のイヤリングが妻ミシェルの座席に置かれ、更に犯人からの電話がかかってき、機内で同じ手口で乗客が殺されたことから、ノヴァックが手掛かりを求めて機内で捜査していくという「フライTプラン」や「フライト・ゲーム」等のような旅客機内を舞台にした犯人との心理戦が展開するサイコ・サスペンスとなっていきます。TVMなので前述の作品のような派手なシーンはないですが、ミスリード要員の露骨に怪しい乗客配置したり、地上にいる相棒の女捜査官と連携して捜査したり、犯人との駆け引きとサスペンス的にも地味ながらも見応えあって引き付けさせてくれます。しかし、主人公の奥さん、いくらなんでも主人公の後追いかけて席立って息子一人にし過ぎ。案の定終盤攫われちゃうし。
スティーヴン・ラングが愛想のいい客室乗務員ジャスティン役で出演しており、当たり前ですが今より若いし「アバター」や「ドント・ブリーズ」と比べるとまだ体型も華奢に感じます。
終盤では犯人がコンピュータ室に侵入して制御コード解除して制御装置を切り離してコントロール不可能にして墜落パニックを迎えるという航空パニック要素も一応盛り込まれます。
終盤で明らかになる犯人は役柄的にも役者的にもこの人だろうなと途中で読めましたね。主人公達の搭乗予約変更したりできるのクルーしかいないしね。海面に下降続ける旅客機の貨物室内での犯人との死闘もそれなりにハラハラできました。でも、犯人がハッチ開けたりしたから絶対そこから犯人落として決着つけるんだろうなと思ってただけに、普通に逮捕ENDだったのはちょっと意外だったな。最後に女捜査官から「お母さんはあなたの事すっごく愛してるのよ」と言われて浮かべた笑みの真意は…
B級ながらTVMとしては安定して楽しめる作品だと思います。アルバトロスリリースの「エアポート」シリーズの中では楽しめる部類だと思います。

殺人鬼を追うサスペンス。

あれ？

と思ったら、中盤からちゃんと飛行機の中。

結構、セットとか画面とかしっかり作ってて、ショボくはないんだけど、メインと思われる犯人探しが今ひとつ推理気分を感じられなかった。

一応、ラストで墜落しそうになる。
けど、主要人物が「ワーワー」やってるだけで、全体的にパニック感はあんまりなかった。