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エンパイア・オブ・ライトのItottyのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.7
エンパイア劇場という映画館が舞台。
劇場で働く二人。精神疾患を抱える女性ヒラリーと人種差別に苦しむ黒人の青年を中心に、人生の様々な困難が描かれていました。

舞台となるエンパイア劇場がまず素敵でした。
海の近くで、夜になれば街の明かりが幻想的という立地。
そして、劇場も一流ホテルかのような内装で、こんな映画館があったら是非とも通ってみたいなと思わせてくれるほどでした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/71d9603a4eb011269fd9d1779387d92c24805468

お話の内容が素直に見れば暗め(人種差別やらメンタルヘルスやら女性蔑視やら、、)なのですが、エンパイア劇場という舞台と、素敵な仕事仲間たちのおかげで幾分ライトに仕上がっていて、気分が落ち込まずによかったです。

劇中トビージョーンズが言ってました。
「子どもがいるけど、8歳以来会っていない。理由?忘れちまった」※趣意

私にはこの台詞が本作品のダイジェストに思えました。
人生いろいろあって、もしかしたら悩んだり落ち込んでる時の方が多くなっちゃうこともある。
偏見や差別といった如実な悪でなくても、ちょっとした失敗や恥じらいなんて数えだしたら毎日溢れかえっている。
でも、結局そんなもんそのうち忘れるんだし、誰も覚えてないんだし、今日も新鮮な気持ちでいきましょーや。って。

だからこそ、劇中でヒラリーが初めて映画館で映画を見た時の感動の顔が心に残っています。
自分にとっての新しい一歩を踏み出した時の感動。新鮮な気持ち。ずっと求め続けていきたいものです。

あと、できるならば人生で一度くらい映画館で働いてみたいなって思わされました。
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