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エンパイア・オブ・ライトのTENのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
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サムメンデスの映画って凄い安定してしっかりと「映画」を観れるから好き。何故かって、多分サムメンデスが作る物語と空気感をロジャーディーキンスが撮るからだと思う。落ち着いていて、とても静かなんだけどシックで、映像詩的な表現。

観客が目の前の24コマの映像に見惚れるように、魅力的な物、生き物、風景(世界)っていうのには制限なんか無くて、形も色も歳も時代も定められていない。それぞれの好みと趣向と、惹かれ合うもの同士が惹かれ合う。そこには出会いと別れが、そして時の進みがある。そこに人間が生きている。それが人間にとっては人生なんだろうと思う。

暗闇の中に光を見出す。静の連続の中に動を見出す。そんな素敵な事ってない。と、思わせてくれる映画館の映画で、朝一で早起きして映画館に観に行って良かったと思った。

スキンヘッドの白人至上主義のシーンが物凄く怖くて、優しさと静けさと人生のエモさを感じさせてくれる。次映画を観に行く時はポップコーンを買おうと、よく分からないけど、ふとそう思った。
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