星屑暴威

エンパイア・オブ・ライトの星屑暴威のレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.1
冒頭のカットからシルエットや暖色の電球光を生かした映像が美しい。映画好きのための映画。街の映画館とまでは言わないけどシネマコンプレックス以前の入れ替えなしの単館映画館の懐かしさ。80年代だからそんなに古くはないんだけど、それでもフロアとか売店とか映写室とか、国が違うので多少の違いはあれど懐かしくてノスタルジックを掻き立てる。もちろん人種差別はもうひとつの大きな柱ではあるけど、映画館を取り巻く人間関係の愛おしさに感動する。ただ、ヒロインの統合失調症のくだりがなければもう少し万人向けなのになとは思った。これは差別以上に重かった。アンティークなセットや映像の美しさ、音楽の選択のセンスなど、ほのぼのとした人間関係にしみじみと感動する。定年後は企業の嘱託でなく、狭い職場でアルバイトでもしたいなと思った。館長以外はみんな良かったけど、映画技師が特に好きだな。あと、CDやサブスクでなくレコードをかけるのが好き。
星屑暴威

星屑暴威