える

TAR/ターのえるのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

#映画 #eiga #movie #シネマ #映画好きと繋がりたい
“女性”の指揮者に起きたジェンダー問題を描いたかと思いきや、そうではなく、ジェンダーやセクシャリティは単なる彼女の個性。
キャンセルカルチャーに襲われたとある人物の狂気と危うさを徹底的に描いた作品でした。
彼女は、時間を制御できる神とも思わせる権力を手に入れました。
しかし彼女は、権力をふりかざすことに注力し、時間は流れるものだということを忘れてしまいます。
音楽家なのに、周りの音を拒み、結果 社会の変化に自分が乗り遅れているとわからなかったのです。
そして、社会からキャンセルされ、時代の波に飲み込まれてしまいました。
彼女が表舞台から追放され行き着いたのは、フィリピン。
そこでは、昔は排除していた”雑音”と共に暮らしています。
そして、自分では時間をコントロールできないゲーム音楽を演奏します。
彼女は、新しい時間が流れる世界で生きることを選んだのでしょう。
まさか、芸術が時間を制御するとは思わなかったのですが、これこそ人間の業なのかもしれません。
ケイト・ブランシェットの怪演に一秒も目が離せませんでした。
何回も観たくなる、いえ観ないと分からないかもの作品です。
える

える