YuyaTakegawa

TAR/ターのYuyaTakegawaのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0
好き嫌い分かれそう。。個人的にはサスペンスとして多くの伏線を仕込む巧みさ、1人のサイコパス芸術家が嘘や権謀術数を駆使して掴んだ権力の絶頂からの転落と再生(の兆し?)のドラマがうまくブレンドされていて見応えがあり長さも感じない映画でした。ピュアな欲求に突き動かされ突き詰めた結果、大きな力を持つに至った成功者たちに対峙したことがあるひとは余計に(そうはなりたくないにしても)真に迫るものがある気がします。ベニスに死す、ブラックスワン、とかの要素を盛り込んであるし、楽しさとかスッキリさを求めると期待外れになるかな? 間違いなく映画作品としては一見に値すると思うけど。一つの音が一つの音へ動く、音を紡ぐことで聴き手の様々な感情を惹き起こすのが音楽だとバーンスタインが言う。自分の感情を再発見しに、もう一回観に行こう。