あいうえお

TAR/ターのあいうえおのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

言葉にするのが難しすぎて、5日間もレビュー書かずに過ごしてしまった。初めてこんなに放置した。
なんていうか、言葉を選ばずにいうと”グロ”かった。栄光ある地位からの転落、冒頭で語られていたターの輝かしい経歴を一瞬で無下にする瞬間、そして皮肉のこもったあの最後。これは救済なのか、転落なのか この映画の制作陣からターはもう突き放されたように思った
自分もいつか、些細なきっかけで有無を言わせずに立場が侵されるかもしれないという恐怖を感じた。ターの場合原因が自分にあったわけだけど、その人間としての弱さ(抱えていた狂気?)が露出したのがきっかけでどんどん崩れていくところが、すごくグロかった。ターのしたことは許されるべき事じゃないし、チェリストに取り入るシーンもあからさまで気分が悪く、妻も子供もいるのに利己的な立回りする人間だっていうことをさまざまと見せつけられて、流れも自業自得だと思いながら見てたんだけど、2時間半じっくり描かれたターの生活がおかしくなっていくのはなんとも言えない気持ちになった。
エンドロールの唐突なEDMも、胸糞悪さと諦めを感じてよかった。
これは他人と語り合うより、自分の中で反芻していきたい映画。