きりんせんぱい

TAR/ターのきりんせんぱいのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.1
不気味な映画を見たな、、というのが見終わったまずの感想。
それもこれもケイト・ブランシェット様の怪演のなした技だと思う。

キャンセルカルチャーについて、才能について、など色々と考えさせられるテーマはたくさんあって、例えばなぜ音楽院での授業シーンがノーカットで撮影されていたかというと、後でこの授業風景がSNSで短く切り取られることへの伏線であったりする。決して彼女が望ましい指導を行なっているとは思えないけど、それをもっと悪意のあるものに編集できてしまうことの危険性へのメッセージなど。

そしてそんなテーマについて視聴者が考えている様を嘲笑うかのように、奥で常に映像や音で異様な演出が行き来していて、やっぱり何とも言えない気持ち悪さだけが後味として残る。
しばらく内容が頭から離れない一作だった。