Jellyfish

TAR/ターのJellyfishのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0
6月14日、一日空いた大阪で再観賞。
2回目だと大分情報が整理できて初見時よりはずっと分かり易い。ただ、劇場がイマイチだったのか、初回に感じた繊細な音響効果を味わうことができなかったのは残念 (前日のライブで耳が悪くなったか?)。

元来余白の多い作りなのだが、今回はより、彼女のやってることってそんなに悪いことでもないよなという印象が強まった (最後の暴力は論外だが)。でもここら辺は見るたびに変わるのかも。

冒頭「時間をコントロールする」ことの重要性を説きながら、ラストではヘッドフォンを被せられクリック音に合わせて指揮をする姿は実に皮肉。それでも自分にはやはり初見時同様、アジアの地でクラシックの新しい道を探し求め始めた姿に思えた。あらためて良いエンディングと思う。

(初回観賞時)
2時間40分の長丁場ながら、無駄なカットが一切なく終始継続する緊張感。音楽映画 (にしてサスペンス) なので当然とはいえ環境音も含め音響・音楽が素晴らしい。

ただ、セリフはもちろん画での説明も最小限なので、よく理解できなかった箇所もあり、例えば、彼女は経歴詐称までしていたってことなのか? とか。
ラストは、そっち方面 (どっちかはネタバレを含むので伏せる) に暗いので、何のシーンか分からなかったのだが、エンドロールのクレジットを見て、あぁと納得。

パフレットは¥880ながらとても上質で充実、読んでたらもう一度観たくなってきた。同じく音楽映画の「ジュリア(s)」と見比べるのも面白い。
やっぱり主演女優賞はこっちだと思う。
Jellyfish

Jellyfish