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TAR/ターのmochizのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ターはおっさんである。
ターは誰よりもストイックで、努力を惜しまず、芸術に真摯である。
でも無類の女好きなのであった。
カラーズのパンセクシュアルだから男尊女卑の白人男性であるバッハが好きではないという学生マイクに、そんなことで芸術的視野を狭めていいのか?というターの主張にはとても納得できるが、しつこくやり込める手口が昭和のおっさん的なのだ。そして彼女はモテモテのおっさんなので自身が性的マイノリティであることを気にしていないのだ。王者である今は。
家庭も大事にするが、自分の都合のよいときだけ満喫し、あとは浮気しまくりである。
若い女の子にハマらなくてバツの悪い想いをしたりもするが、「遊び」では片づけられないハラスメントもするエロジジィだ。
キャンセルカルチャーではなく、やってるんである。
だがしかし、彼女は本当に音楽に真摯なのだ。それがゲーム音楽でも。
感動的なおっさんである。

OPに仕掛けが!という情報なしに見たので、OPには驚いた。え、終わったん?あれ、記憶喪失?とか思って笑た。

クラシックに詳しくないので色々理解できていないと思うが、この長さを字幕吹替2回見ても苦痛ではないほど面白かった。(OP、インタビュー、授業のシーンは笑うほど長!と思ったが。序盤が試練である)
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