よす

TAR/ターのよすのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

深すぎて考察しっかり見ないと全然理解できないけど、それでも引き込まれてしまう不思議な映画。

ケイトブランシェットの怪演を見れるだけでも価値はある。

解説やレビューなどで、ターの傲慢で身勝手な部分を取り上げられているが、自分はそうは思わなかった。
むしろ、音楽への情熱が真摯すぎたし、コンマスのパートナーやチェロ奏者の新人など、自分のお気に入りで身を固めようとしても、あくまでそこは見た目が好きとか浅いものだけでなく、それぞれの音楽性も含めて惚れ込んでいただけな気がするから。

強いて言えばクリスタとの関係性のみ、ターの身勝手から死に追い込んだのかな?と推測できるけど、それさえ情報量が少なく実際の所はよくわからない。
フランチェスカとクリスタの2人がターに対して不信感などを募らせた原因がどこなのかにもよるが、逆恨みの可能性さえあるのかな?って思った。
フランチェスカは去る前からターに対して負の感情があったのはチャットからは推測できるし、あのチャットがクリスタとフランチェスカのものなら相当悪意のあるものに見えたから。

最後、純クラシックに拘らずゲーム音楽に対してさえ真摯に向き合うターの姿勢は本物の音楽家だなと尊敬さえしてしまった。

ターの内面や心情を考えてみたら、自分がリハで作り上げてきた作品(音楽)を適当に理解してない奴が指揮したら憤怒するのも納得。

文が散漫になってしまったが、音楽家、人間として僕はターのファンになってしまったのかもしれない。
よす

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