ヘラルドスクエア

TAR/ターのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.6
とてもお高い映画でした。
ハイソな世界にどっぷり浸って鑑賞したかったのですが、それなりにハードルが。
大変知的だということは伝わってきましたが、私には台詞の半分も理解できません。
基本的な知識が乏しいので…。
こんな難しい台詞を長回しでずっと喋り続けるケイト ブランシェットさんは本物なんですね。

トッド フィールド監督はクラッシックの世界を究極のリアリティで描こうとしているそうです。
てことはこの世界の人たちは普段からこんなに難しい日常会話をしているんですねー。
ジョークも高尚で分からないです。
エルガーとかデュプレ、ブレーズやケージ、バーンスタイン、フルトヴェングラー、カラヤン。これらが何たるかが分かっている前提でどんどん話が進んじゃいます。
世界三大の中でも特別な存在であるベルリンフィル。そこの主席マエストロって一体どういう状態なのかと興味津々でした。
グラモフォンのレコーディングとか、こんななんだぁ…ため息。
ニューヨークとベルリンを専用ジェットで行ったり来たり。
まぁ凄い生活していましたねー。
とにかく上流、そして独裁的。
みなさん悩みも芸術的。

日本にだって小澤征爾さんという世界で5本の指に入るマエストロがいるんだぞっ、と。
せめてそこは釘をさしたい気分です。