由緒正しいベルリンフィルの首席指揮者のター。
その彼女が音源の収録という大仕事を控え、プレッシャーに苛まれる中で彼女の教え子の訃報が届き、彼女の完璧なキャリアは少しずつ崩壊していく…という話。
しかしこれがなんとも静かな崩壊と転落。
映画が始まった時点で疑惑のすべては終わっていて、ただ彼女の心身が擦り減っていく様を見物している気分。
ストレスで神経が研がれて些細な音まで気になったり嫌なことが重なり大声で喚き立てる感じ、リアル。
第一印象は「転落劇」だったが、次第に一種のストレスからの救済、解放なのかと思って、見た人の感想をたくさん聴きたくなった映画。