Watako

TAR/ターのWatakoのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.5
どう消化すれば良いのか良く分からなかった(というか途中でちょっと寝た)ので他の人のレビューとかをみて改めて考えました。

◯内心と表現について
・自分の内心は周りから見てもわからない。
・内心から表現されたものに対する解釈は人それぞれ、音楽はもちろん、権力を持つものが伝えることが周りにどう捉えられるかも含む。
・表現されたもの(音楽など)には、表現者の実力が現れるが、表現者と受け取る側の関係性によってそれが意図した通り伝わらないときもある。過小評価、過大評価、いずれの場合もある。
・表現者は本来、自分をできるだけ消して、表現されたものだけを見てほしいのではないか。表現されたものに表現されたもの以外のものが映り込むのはノイズでしかないのでは。

◯音楽表現と評価について
・リディアは音楽表現を追い求める人間であって最初から最後までそれは一貫しているのではないか。
・途中の学生との会話でリディアが言ったように、表現を評価する基準に出自や性癖は関係ない。権力の有無も関係ない。
・音楽は言葉がなくても100%成立して、背景情報も本来不要。
映画には映像や言葉もついてくるけれど、音楽と似たような所はあって、背景情報無しで見て、見る側がいろいろな解釈ができる場合もある。この映画は、音楽の解釈の広がりにも近い、開かれたつくりをしてるのかなと思った。

そしてこのふわっとしたレビューですら、読む人が都合よく捉えて、その人なりに消化する(あるいは消化しない)ものなのだと思います。表現というインターフェースを考えさせられる体験になりました。
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