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モリコーネ 映画が恋した音楽家のDacのレビュー・感想・評価

4.1
聴いた瞬間無条件で涙を流してしまう音楽があるのだけど、それが2個とも映画音楽で、その一つが「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ。
しかも24歳くらいまで作品を観たことがなかったので、歌詞もない旋律のみでこんなに心が動くのってなんで!?とモリコーネに興味があったので、音楽の制作過程をわかりやすく知れるのは本当に嬉しかった。

そんな「ニュー・シネマ・パラダイス」の曲も、すごく有名だけど作品内ではほんの一瞬の登場だったのが良い。
黎明期の作品から細かく紐解かれていく。


なんでモリコーネの曲が頭に残って心が動くのか、彼の趣向がいろいろ出てきたが、最初はとにかく対位法がめちゃめちゃ出てくる。
(私は思い出そうとして意識が逸れてしまったので、調べておくのがおすすめです)

そして、マカロニウエスタンでの口笛・エレキギターの活用という、西部劇音楽の型となっているけどよく考えたらなんで?という部分が語られていくのも、音楽好きにはたまらない。
その他にも、三音のみで構成するメロディーなど、遊び心も取り入れながら曲をどんどん完成させていくなどの圧倒的才能についても、他の音楽関係者が興奮しながら話していく。
(ジョン・ウィリアムズがその一人だったのがだいぶアツい)

「海の上ピアニスト」を事前勉強として観たのだけど、独特な感性を持って曲で表現していく主人公とモリコーネが少し被るような気がした。
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