kazマックスグローバーレッド

モリコーネ 映画が恋した音楽家のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

3.7
モリコーネの人生が分かる2時間37分のドキュメンタリー。最初の20分は映画音楽に携わる前のモリコーネでこのパートはモリコーネについて初めて知るエピソードばかり。特に映画音楽なんて初めは軽蔑していてやるつもりがなかったなんてのは知らなかった。

自分がモリコーネをリアルタイムで聴き始めたのは『アンタッチャブル』からでちょうどこの時期にビデオで『荒野の用心棒』を、テレビ放送では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を何度も繰り返し見ていてサントラもよく聴いてた。特に『ワンアメ』のパンフルートの音色は当時めっちゃインパクトあって印象に残ってるわ。

『アンタッチャブル』の時にモリコーネがアカデミー作曲賞取れなくて、この時にどの作品が作曲賞取ったんだろうと思ったら、そうか、『ラストエンペラー』だったのね。まぁ坂本龍一だったらモリコーネが取れなくても納得せざるを得ない。
『ラストエンペラー』のサントラも『アンタッチャブル』と同時期によく聴いてたもんなぁ。偶然にもこのドキュメンタリーを見る前に昔カセットテープで聴いていたサントラをもう一度聴きたくてアンタッチャブルとラストエンペラーのサントラCDをレンタルしたばかりなんです。改めて聴くとアンタッチャブルのサントラは名盤だな。


2000年代に入るとタランティーノが『キル・ビル』辺りからモリコーネの昔の楽曲を自身の映画に再使用して、そこからその曲のオリジナル映画を見るようになったんでタランティーノには感謝です。

『イングロリアス・バスターズ』で再使用された「Rabbia E Tarantella」という曲があって、この曲はマルチェロ・マストロヤンニ主演『アロンサンファン/気高い兄弟』という映画でオッサンたちが腿を叩いて足踏みしながら行進していく曲。この映画めっちゃ気になるんで近いうちに見なくては。

ベートーベンやモーツァルトと肩を並べてこの先200年後も偉大な作曲家としてモリコーネは後世に残ること間違いなし。

あと、このドキュメンタリーでは紹介されなかったけど『エクソシスト2』のサイケな予告編曲は神曲だと思う。映画の内容からして実際は神曲ならぬ悪魔曲なんですけどね。