ネパールのカトマンズで取材をしていた登山カメラマンの深町は、姿を消していたクライマー・羽生を目撃する。
羽生が伝説的登山家マロリーの物と思われるカメラを手にしていたことから、深町は彼の消息を追うことに。
深町は羽生の過去を調べ、繋がりがあった人たちに会い、彼の居場所を探ろうとするが、それよりも羽生という男の人間性に惹かれていくのであった・・・。
とにかく作画が素晴らしい。
風景の光と影、人物の動き、色彩。
山岳シーンも臨場感あったし、何より描かれる日本でのシーンが、70年〜90年代の空気感を見事に表現していて、よく他国の当時の雰囲気を丁寧に作り上げたなぁと、フランスのクリエーターの力量に驚かされます。
夢枕獏の原作は未読、谷口ジローの漫画は読んでいますが、取捨選択が巧い脚本、構成だったと思います。
故に山を目指してしまう男の挑戦心や葛藤といったドラマに、きっちりと緊張感を感じさせてくれました。
一つ気になったのは、観る人によっては時代転換が分かりにくいところかも?
現代(90年代)なのか、過去(70〜80年代)なのか?その時代を知らない人には観分けがパッとできないかもしれませんね。
とりあえずこれはソフト化してくれませんかね?スルメ的に流していたい。